生産終盤で「まずい、納期までに納品が間に合わないかも!?」、
モノづくりの仕事で同じ経験をされた方も多いのではないでしょうか?
こんな時は生産が計画通りに進行していない以外にも原因があるかもしれません。
そもそも生産計画を立てる時、海上輸送について正しい知識と理解がないと予定通りに生産完了しても納期に間に合わない!?なんてことも十分にあり得ます。
例えば、船便で工場出荷から国内納品まで8日間かかるとします。
下記の通りに計画を立てた場合、実際には最短でも5/15(土)以降の納品となる可能性があります。香港から東京港向け貨物の実際の輸入スケジュールで説明します。
輸入スケジュール
工場出荷:5/6(木)
香港出港:5/7(金)
日本入港:5/11(火)
搬入通関:5/12(水)
最短納品:5/13(木)
理由①「遅延」
・船便はほぼ毎日出港しているが毎回1~2日遅延する船会社もある
船会社A:ほぼ遅延なし(遅延率5%)
船会社B:ほぼ2日遅延する(遅延率80~90%)
※船会社Bで2日遅延した場合は土日を挟む為、最短で5/18(火)納品
理由②「他港経由便」
・香港から東京まで直行ではなく、寄港してから到着の場合は10日間かかる船便もある
船便A:香港から東京直行便(最短5日間)
香港出港5/6(木)⇒東京港到着5/10(月)
船便B:香港から他港経由便(10日間)
香港出港5/7(金)⇒大阪港到着5/11(火)⇒神戸港到着5/12(水)
⇒名古屋港到着5/14(金)⇒横浜港到着5/15(土)⇒東京港到着5/16(日)
※5/7(金)に出港する直行便は無いので船便Bとなり、最短で5/18(火)納品
理由③「運航状況」
・遅延が少なく最短で東京港に到着する船便のスケジュールは1週間に2便程度
航路A:香港出港5/6(木)⇒東京港到着5/10(月)
航路B:香港出港5/8(土)⇒東京港到着5/13(木)
※出港日前日までの工場出荷が必要なので航路Bとなり、最短で5/15(土)納品
このように海上輸送の仕組みや船会社の特徴を考慮しないで生産計画を立てると納期遅延が発生して、間に合わせるためには航空便輸送が必須となり、結果として多大な追加費用が発生します。
上記以外にも港や港倉庫の混雑、悪天候、税関検査によって影響を受けるので状況に応じて多少の調整が可能な余裕ある生産計画が非常に重要となります。