何とか生産スタート出来てホッとしたのも束の間、予想外のトラブルが発生することもあります。
本コラムでは最近発生した事案をご紹介させて頂きます。
2021年9月下旬に突如、中国政府より計画停電の告知がされました。
中国では10月1~7日まで国慶節という大型連休があり、連休前で繁忙期だったこともあり生産現場は大変混乱しました。
中国政府による計画停電の詳細(2021年10月8日時点)
■対象地域
中国全土の1部地域で行政区エリア単位で設定
■告知
基本は2~3日前だが前日になることも
■日数と時間
各行政区エリアごとに異なるが大体1週間に2~4日、8~18時までの間
■違反
協力しない企業に対しては強制的な停電措置がとられ、深刻なケースの場合はエリア全体で48時間の追加停電措置
この結果、連休前にも関わらず生産効率が悪いとの判断で早々に稼働停止する企業も出ました。
多くの中国工場は月曜日から土曜日まで週6日稼働していますが仮に4日間停電で稼働停止すると生産能力は1/3程度に減少します。
弊社の協力会社では停電対策として急遽、夜から早朝稼働に切り替えたりレンタル自家発電機を使用して何とかピンチを乗り切る事が出来ました。
しかし、今回の計画停電は春節(旧正月)の2022年2月1日まで続くとの情報もあるので厳しい状況が予想されます。
夜から早朝に工場稼働=時間外労働による人件費UP
レンタル自家発電機=ガソリンなど燃料費UP
他にも生産能力低下による原材料コスト上昇、売り上げ減少が深刻になる可能性もあります。
このように「ある日突然」が起こる事もあるので普段より取引国の最新情報を取得して迅速に対応することがリスクを最小限に抑えるコツと考えています。